未来が見えた

被災地を憂い「考え方次第」を教わる

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渡辺 一正 先生より (元 鳥取環境大学教授)

「時間が経ちました。今公開は時間が遅いが、時間を忘れられない檄文。

2011年11月21日 3:07 

陸前高田の町は、3月11日の津波によってほぼ壊滅した。
この町の復興に当って高所への移転が考えられている。
しかし、周囲の山を削って宅地を造るには相当の費用も掛るが、
数年の期間を要する。

これを単に待てば、まちの衰退は、免れ得ない。

まちの形成は、多くの人々が共同する生活活動があって生まれるので、
それが停止すればまちは衰退する。

まちは、産業・生業があってこそ生まれた。陸前高田の主産業は、
やはり漁業と言うべきであろう。
漁業自体は、次第に回復するであろうが、一つの産業を核としたまちでも、
人々が生活するためにはその衣食住を支える様々な産業を必要とし、
各産業もそれを細かにみれば、更に多くの多様な産業によって支えられている。
これらを活性化するためにはまちとしては市場を開設する必要があり、
それがなければ人々の生活はかなり辛いものとなる。

昭和2年に奥丹後地震があったが、その際の復興に携わった工兵隊の報告によれば、
兵隊は先ずは道路の復旧をし、次いで応急仮設住宅を建設したが、僅か4畳半の
バラック仮設住宅であったが、人々はその竣工を待つこともなく入居し、
入居すると間もなく店舗を開店したという。面白いのは、開店された店舗の種類であるが、
第一番目は煙草屋、次いで酒屋、散髪屋、時計屋、ゴム靴屋、写真屋、魚屋という
順序だったという。壊滅的な被害に遭った人々が、やっと応急のバラックに住み着いて
最初に欲しがったのは嗜好品による一瞬の心の落ち着きであったというのは自然なことと言えよう。
これが今日であればどのような業種が求められるかは被災地の特性によるに違いない。

市場には、これらの嗜好品やサービス業も含む必要があるが、どのような業種が求められるかは
現代の地域の生活形態並びに地域の特性によろう。

まちは、多くの場合、複数の企業を抱えて成立している。陸前高田の場合、漁業以外に
酒造業があった。湧水を利用した酒造であったが、今回の地震で水の流れ道が変わり、
水質が変ってしまったので、例え再開しても同じ酒の味は期待できないという。しかし、
それでも酒つくりは、必要であろう。

陸前高田は、隣接するやはり何をするにも鉄道の回復が欲しいかなと思ったが、全く考えられて
いないのはびっくりだった。

市の中央を公園とするのは観光で生きるということだが、通過するだけの観光は財源にならない。
先ず、宿泊施設をつくる必要がある。宿泊施設は採算が難しいと考えられがちだが、先ずは親戚、
次いで知人を招待し、地場産材の需要を高める。
このための定期的なイベントを考えるのではないか?

かつての陸前高田の町並みを偲ぶ会でも良いので、そのような会を連続的に開催し、
来訪者には泊まっていただき総合的に収支を合わせる。同時に陸前高田料理を酒と共につくり、
これを賞味して貰う。宿も当初は自宅を使い、次いで民宿を今ある住宅を使って行う方が良い。
1部屋のゆとりをつくれる家があれば、それを組織する。場合によっては丸太小屋を建てて宿舎に
するという方法もあり得る。

先ずはかつての町並みを出来れば実大サイズ、無理ならば多少縮小したパネルで再現してはどうか?
それを出来ればかつての場所に、出来なければ現市役所、あるいは旧市役所の外壁などを使って、
荒涼感を払拭する、ないしはそこから立ち上がろうとしている努力を示す。市民に必要な市を
開催するのが良いと思うので、先ずは仮店舗を造り、その周囲をパネルで飾るなどが考えられよう。

何といっても図面があるので、その再建に向けて可能なことを最低限の費用で行うのが良い。
和紙に筆で立面図を描き、これをフィルムで耐水化してパネルに貼りつけるなどが考えられよう。

鉄道も駅舎は後でも先ずレールを敷いて、隣町まででも列車が困難なら馬車でも、あるいは
人力車でも走らせるなどは不可能か?レールはできることなら複線とする方が両端に回転部を
設ければ自動運行も可能となるなど安全対策の合理化が可能となり、運行計画が簡単となる。

何でも良いが、ただ待つという姿勢は良くない。ジタバタでも復興を目指して自ら戦っている
姿を示す必要がある。


・・・・・・と、結んだ激励文・・・・・・・・冷静に考える人柄滲んで入る文面に感謝です。



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